障子舞台と里神楽

今回の企画展示会giftではインスタレーションという形で仮設舞台を作りました。

その意図と目的をお話ししていきます。



太鼓貼障子:和紙に光と影が写り込む


障子舞台

仮設のやぐらは「障子舞台」といいます。


障子舞台


障子舞台2


少し建具の話になりますが、建具は空間を切り替える装置(道具)です。
日本の住まい方として、普段は個室で季節や行事によって続き間から広間まで変容させて部屋を使っていました。その縮める・広げるを可能にしていたのが建具という道具で、自在に部屋を転用させる和の空間システムは建具と密接な関係がありました。


障子が周囲を廻る仕掛け:空間の切り替えの自由度が増す。


また、障子を選んだのはその素材の持つ特徴をわかり易いという考えからです。

  • 日射を柔らげ内部に優しい光で空間を包んでくれる。
  • 壁ほど遮断せずに影や音が透過し繋がりを保つ。


障子舞台内部:障子に包まれた空間

光が太鼓貼障子に吸収された様子がわかる。


こうした建具の役割と障子の特徴を取入れ、舞台に表して体験してもらう、ことを目的としたインスタレーションが「障子舞台」です。

障子舞台の企画書



展示会中は入口の門のような役割で屋外エリアと屋内エリアを行き来する際に通る切り替え装置として考えていました。もちろん障子に囲われた空間そのものも体験してもらっています。

空間や建具、構造物(今回は木造)は普段の生活ではあまり意識は向かない部分だと思っていましたので、あえて目が向くように見て触れていただいて、自分たちの仕事を知ってもらう、につなげたいとも考えていました。


舞台組立時の様子





障子と里神楽


里神楽の室礼:正面に八足とお鈴・奉幣を飾る



建具(障子)で里神楽の舞台空間をつくり、引き立たせる。

建具の役割と障子の特徴を今度は実際に目に見える形で伝える方法として企画したのが

「障子舞台x里神楽」です。


里神楽:1公演目の様子、障子を大きく開け広がりを演出



里神楽は演技者は面をつけ、所作でやり取りをする無言劇です。そこに演奏者が音で状況を作りストーリーの場面を表していきます。

演技者の動作の合図に連動して音が切り替わる、そこに建具も同じように反応し里神楽の演技空間を演出する。

それが、空間をつくる、姿を伝える方法です。

里神楽公演の企画書



公演は2演目で、最初は里神楽と連動した障子で空間をつくる。次は障子を外し開放的に演目を観覧する。という異なった演出にしてあります。

それも建具の特徴、縮める・広げるをシンプルに伝えようと考え違った演出にしました。

次回は今回断念した、もう少し日の落ちた風景(薪能のような)の中で影絵をつくった企画公演もしたいですね。



巫女舞:柔らかな光に包まれ演者を引き立たせる。




細かく説明をしてきましたが、

当日も少し説明を加えた上で里神楽を楽しんでいただきました。


2公演目:恵比須様と大黒様がお客さまにお宝を授ける。

里神楽ならではの楽しませる演出




最終的には、見て喜んでいただく、これですね。


障子舞台デザインスケッチ





moct

design room ーつくるを楽しもうー